一般社団法人 熊本県放射線技師会

一般の方へ

 第4回被ばく線量適正化講習会報告書

(一社)熊本県放射線技師会放射線管理委員会 石橋謙吾

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平成30年2月17日に大分県にて第4回被ばく線量適正化講習会が行われました。

下記のプログラムで講師として参加してきました。はじめに委員会報告として医療被ばく安全管理委員会委員長の鈴木賢昭先生が「医療被ばく低減に向けた診断参考レベルの活用と施設認定に関して」というタイトルで診断参考レベルができた経緯から医療被ばくの最適化の重要性について講演されました。次に会員報告として「医療被ばく低減施設認定取得の経験から」というタイトルで私が講演をしてきました。当院が医療被ばく低減施設認定を受審したきっかけや評価項目に対する取り組み、訪問審査時の様子、熊本県放射線管理委員会の活動内容などう紹介してきました。講演後に線量管理はデフォルト設定ではいけないのか?や小児撮影の条件設定基準、プロテクター破棄基準について質問があり、大分県も医療被ばく低減施設認定を取得しようとしている施設があり、少しは参考になるような講演ができたのかなと思いました。最後に特別講演として大分県立看護科学大学環境保健学の小嶋光明先生が「診療放射線技師に必要な放射線生物の基礎」というタイトルで放射線による生物学的影響、確定的影響、確率的影響について講演をされ大変勉強になりました。

 

日時:平成30年2月17日(土)15:00~18:15

会場:社会医療法人三愛会 大分三愛メディカルセンター

住所:大分県大分市大字市1213番地

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プログラム

15:00~15:10 開会挨拶                                                日本放射線技師会 理事 横田 浩

15:10~15:50 委員会報告「医療被ばく低減に向けた診断参考レベルの活用と施設認定に関して」

医療被ばく安全管理委員会 委員長 鈴木 賢昭

16:00~16:45 会員報告 「医療被ばく低減施設認定取得の経験から」

熊本地域医療センター(熊本県放射線管理委員) 石橋 謙吾

17:00~18:15 特別講演  「診療放射線技師に必要な放射線生物の基礎」

大分県立看護科学大学環境保健学 准教授 小嶋 光明

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18:15~                 閉会式

 


放射線管理委員会で毎年行っている放射線管理研修会の報告を記載します。以下放射線管理委員の實田からの報告です。

.                          弟5回 (一社)熊本県放射線技師会 放射線管理委員会研修会報告書

.                                                                                                      放射線管理委員 實田 亜希

 

下記のプログラムで放射線管理委員会 研修会を実施しましたので報告いたします。

当日は5名の先生方の発表を頂き、放射線技師会会員33名に放射線技師会非会員1名を加えた計34名の出席でした。このうち放射線管理士は、14名となっております。

はじめに、熊本大学医学部付属病院 栃原先生より、「放射線被ばく線量情報管理について」情報提供をして頂きました。被ばく低減とは、照射線量をただ減らすことではない。放射線測定やDRLの作成を行うことで放射線を管理し、被ばくの低減につながる。被ばく低減について現状から取り組み方まで幅広く勉強することができました。

つぎに、「医療被ばく低減施設認定のコツ」について教えて頂きました。内容は、熊本ではまだ3施設しかない医療被ばく低減施設ということで、認定取得の経験や感想、また済生会熊本病院については更新が近いということで、更新に向けての取り組みの発表がありました。

最後に、佐賀関病院 桑原先生より、「放射線災害時の診療放射線技師としての役割」について講演をして頂きました。講演では、桑原先生自身がDMAT隊員として活動されていることもあり、原子力災害時にスクリーニング検査や被ばく相談を行った実際の経験や、精力的に開催されているスクリーニングの指導や合同演習のお話を聞くことができました。

今回の研修会では、被ばく低減に向けた取り組み方や心構えについて、複数の先生方の意見を聞くことができ、また、桑原先生の災害時の出動経験などを聞けて大変貴重な研修になりました。今回、桑原先生には遠方よりお越しいただき大変感謝いたします。

 

日時:平成29年1月28日(土)13:30~17:00

会場:熊本大学医学部付属病院 東病棟12階多目的ホール

熊本市中央区本状1丁目1-1

プログラム:

1.[開会の辞]  13:30~13:35 開会挨拶   (一社)熊本県放射線技師会 会長 肥合 康弘

2.[情報提供]  13:35~14:05    座長 熊本市医師会熊本地域医療センター 黒田 洋明

.                                                     「放射線被ばく線量情報管理について」

.                                                                                            熊本大学医学部付属病院 栃原 秀一

3.[テーマ講演] 14:15~15:15    座長 熊本市医師会熊本地域医療センター 黒田 洋明

.                                                      「医療被ばく低減施設認定のコツ」

.                                                                                     医療法人信岡会菊池中央病院 和田 誠次

.                                                                                                熊本地域医療センター 石橋 謙吾

.                                                                                                           済生会熊本病院 江崎 泰史

15:15~15:35

討論

4.[特別講演]   15:45~16:45                      座長 熊本大学医学部付属病院 下之坊 俊明

「放射線災害時の診療放射線技師としての役割」

社会医療法人佐賀関病院 桑原 宏先生

5.[閉会の辞]  16:45~16:50  (一社)熊本県放射線技師会 放射線管理副委員長 白川 裕一

 

▲特別講演中の桑原先生


放射線管理委員会ではこのような活動を通して医療被ばくの低減活動に取り組んでいます。以下、放射線管理委員会副委員長の白川からの報告です。
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平成28年度鹿児島県放射線技師会被ばく管理研修会報告書

 

(一社)熊本県放射線技師会線管理委員会 白川裕一

 

下記スケジュールの研修会に講師として参加した。天気のよい土曜日であったが42名の参加があった。メーカー講演では半導体線量計の歴史を主に、今日では多くのメーカーが設置時の確認などに半導体線量計を使用しているという話があった。私は、熊本県放射線管理委員会の活動内容、半導体線量計を用いた入射表面線量の測定方法、熊本県下での線量測定事業といった内容について講演した。講演後に「線量計の保証について」と「線量計の貸し出し時の具体的な渡し方」についての質問があり、すでに今回の講演内容を自施設で実践していただける雰囲気であった。最後に熊本地震時の熊本大学病院の現状について話し、この時に鹿児島県放射線技師会の皆様からいただいたご支援をお礼申し上げた。

 

日 時:平成28年9月10日(土)15:00~17:00

場 所:鹿児島大学病院 第2臨床実習室

住 所:鹿児島市桜ヶ丘8丁目35-1 TEL 099-275-5664

参加費:会員 無料

【メーカー講演】15:00~15:20

「多機能X線測定器の特徴」

フルークバイオメディカル&アンフォースレイセイフ

.            カントリーセールスマネージャー高岡 竜也先生

【特別講演】 15:20~16:20

「熊本県診療放射線技師会での被ばく線量測定の実際」

.             熊本大学医学部附属病院 放射線部

.                      白川 裕一 技師

 

 

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▲鹿児島で技師会員に測定実習を行う白川副委員長


我々診療放射線技師は医療の現場において、医療被ばく(レントゲンや CT 検査で受ける被ばく)に関する相談へ対応してきました。 一般社団法人熊本県放射線技師会では皆様の放射線に対する不安が取り除けるよう、また安心して検査が受けられるようにさまざまな医療被ばくに関する相談を承っています。

 

なお、お受けしました 相談内容は学術研究、相談員資質向上を目的に、匿名化した上で学会発表や論文等に引用させていただく可能性があります。あらかじめご理解の上ご了承下さいますようお願い申し上げます。

 

当ホームページのお問い合せから「被ばく相談」を選択し、ご連絡ください。


2011年の福島第一原発事故以来、放射線の人体への影響や原発再稼働などがニュースになることがあります。そのような中、聞き慣れない「ベクレル」や「シーベルト」といった放射線に関係した単位をはじめ、放射線に対して正しく理解していただけるよう熊本県放射線技師会では放射線に関する訪問授業を行っています。
ぜひとも趣旨にご賛同の上、ご連絡下さいますようお願いいたします。

 

授業内容の例
① 放射線の性質・種類
② 身の回りの放射線を測定してみる。
③ 放射線がどんなところに利用されているのか(医療・農業・工業・研究など)
④ 原子力発電所について
⑤ 福島第一原発事故および風評被害について
⑥ もし、近隣の原発が事故を起こした時、私たちはどのように対応するのか?
⑦ その他(要望にあった内容に変更可能です)
受講者数および受講時間等詳細については相談させていただきます。

 

問合せ先
当ホームページのお問い合せからメールをするか下記連絡先まで直接ご連絡ください。
菊池中央病院 放射線部 和田誠次
0968-25-3141(内)134


一般撮影検査とは

よくレントゲン撮影とかX線撮影と呼ばれているもので、X線を使って体内の様子を調べる検査です。この検査は胸部や腹部、骨など全身が対象となります。

写真は白黒で、X線が透過しにくい骨などは白く写り、X線が透過しやすい空気などは黒く写ります。胸・腹部の撮影では肺や心臓、腸管など体内の臓器の状態を、また骨の撮影では骨折や関節の変化などを観察することができます。

chest

胸部正面

 

hand

両手正面

 

<検査を受ける際の被ばくについて>

一般撮影検査では被ばく線量はとても少なく、短期間に複数回検査を行った場合でもほとんど影響はなく、心配はありません。しかし、胎児はX線に対する感受性が高いため、妊娠されている方やその可能性のある方は事前にお知らせください。

 

<検査の方法について>

検査の内容によって、立ったまま撮影をしたり、ベッドに寝てから撮影したりします。また、息をとめていただくこともあります。技師の指示に従ってください。

撮影時間は撮影部位や撮影枚数により異なりますが、通常は3分から10分程度です。20分以上の時間を要する場合も稀にありますのでご了承ください。

 

 

<更衣について>

下記のような写真に写る可能性のある衣服は着替えをお願いする場合があります。

ボタンビーズなどのプラスチック類

・ベルト、ファスナー、ブラジャーなどの金属類

プリント刺繍のある厚手の洋服、ゴムのきつい洋服

撮影部位に下記のようなものがある場合は外して頂く場合があります。

・ネックレス、時計、ピアスなどの貴金属

・眼鏡

湿布カイロエレキバンなど

・ギプスや装具(医師の指示がある場合)

 

その他、ご不明な点につきましては、ご遠慮なくスタッフにお尋ねください。

 

 


X線検査とは

食道から胃、十二指腸の病変をチェックするための検査です。バリウム(薬剤)を飲んでいただき、胃の壁にバリウムを流し込み、様々な方向から胃を撮影します。受診者の皆さまには台の上でグルグルと回っていただき、姿勢を変えていただく必要があります。

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<検査の流れ>

  • ① 前日の夜から絶飲食です。普段から服用されている薬(糖尿病の薬以外)は当日なるべく早い時間帯に服用してください。
  • ② 担当者の指示に従い検査が始まります。まずは発泡剤を飲み、その後バリウムを飲んでいただきます。
  • ③ 検査中は台の上でグルグルと回っていただきますが、なるべく“げっぷ”を我慢して下さい。

我慢していただく事で胃が膨らみ、胃全体を広く観察することが出来ます。

  • ④ 検査終了後は担当者より下剤をお渡ししますので、必ず服用されますようお願いします。

 

<注意事項>

・検査前日21時頃以降は絶飲食です。

・検査後、バリウムを体外へと出し切るまでが検査です。錠剤(下剤)の効果を出来るだけ発揮するために、出来るだけ多くの水を飲んでください。

 

*心臓や血圧のお薬を服用されている方へ

予約時刻の3時間前までに、できる限り少量の水(100ml程度)で服用してください。

*糖尿病の薬を服用されている方へ

糖尿病の薬は低血圧状態を起こす可能性があるため服用しないでください。


CT(コンピュータ断層撮影)検査とは

身体の様々な方向からX線をあてることで、輪切りの画像を撮影する検査です。一般のレントゲンではわからない詳細な情報が得ることができます。特に、近年では技術やコンピュータの進歩によって、より広い範囲を高速に撮影することが可能になっています。

<臨床画像>

CTaxial

断層像

 

CT3D1

CT3D2

 

検査を受ける際の注意点

下記に該当する方はCT検査を受けられない事がありますので、事前にご相談ください。

心臓ペースメーカー埋め込み型除細動器(ICD)などを身につけている方

心臓ペースメーカーは一部の機種で検査ができない場合あります。機種の確認が必要ですので必ずペースメーカー手帳をお持ちください。

・妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方

・検査前1週間以内にバリウム検査を受けられた方

・閉所恐怖症の方

 

<更衣について>

・撮影部位にボタンやホックなどの金属があると画像に影響を与えることがありますので、必要に応じて更衣をして頂きます。

 

<検査中の注意>

・検査時間は、通常10~20分です。

・頚部、胸部、腹部の撮影では息を止めて頂きます。

・撮影は数十秒で終わりますので体を動かさないようにしてください。

・検査によっては、体を固定させていただくことがあります。

 

<造影検査を受ける方へ>

CT検査は、造影剤を使用しなくても行えますが、検査部位や検査目的によっては造影剤を使用することがあります。 造影剤を用いることによって、病気の状態や血管の走行が分かりやすくなり、より正確な診断が可能になります。

CTで使用する造影剤は腕の静脈から注入され、造影剤が入る際には身体が熱く感じますが、すぐに収まります。造影剤は通常24時間で尿となって身体から排泄されますので、検査当日は水分を多めに摂ってください。また脱水症状が起こるような激しい運動、当日のアルコール摂取はお控えください。

 

※以下の方は造影剤が使用できない場合があります。該当される方は事前に主治医にご相談ください。

以前に造影剤を使用して副作用のあった方

重篤な甲状腺疾患のある方

喘息のある方(治癒していても5年未満の方)

 

 

安心して検査を受けていただくために

CT検査はX線を使用しているため被ばくを伴う検査です。最近のマスコミで言われているように被ばくによるリスクは一般のレントゲンに比べればまだまだ高い検査です。

しかしながら、検査を行うことで病気の早期発見や、病気の状態を知ることができるため、患者様にとって利益のほうが圧倒的に多いと考えられます。また、装置や技術の進歩によって被ばく線量は減ってきており、我々、診療放射線技師も可能な限り低い線量での検査に努めておりますので、安心して検査を受けていただけます。


MRI(磁気共鳴画像)検査とは

Magnetic Resonance Imagingの略語で,磁気と電波を利用して画像を撮像します。X線を使用しないので放射線による被ばくはありません。下図のように様々な断面の画像が得られます。

<臨床画像>

MMG1a

頭部画像

 

MRI3

腰部(脊髄)画像

 

検査手順

  • 1.MRI検査を安全に行って頂く為に、検査前に問診表などを用いて確認をさせていただきます。
  • 2.確認終了後、検査用ベッドに寝ていただきます。
  • 3.検査が始まると、「トントントントン」という音が聞こえてきますが、検査を行ううえで必要な音ですのでご了承ください。検査中、撮像を行う部位によっては息を止めて検査を行うことがあります。検査時間は検査部位にもよりますが、おおよそ20分~40分です。

4.検査内容により、造影剤というお薬を用いることがあります。

 

<検査を受けることが出来ない可能性のある方>

ペースメーカーなどの電子機器を使用されている方

人工内耳を埋め込まれている方

・脳血管の手術などでチタン製以外の脳動脈瘤クリップが入っている方

 

そのほかにも、補聴器、眼鏡、ヘアピン、ウィッグ、装身具、時計、携帯電話、磁気カード、入れ歯、などはMRI室の中に持ち込んでしまうと、MRIの磁気により破損などの恐れがあります。車椅子、ストレッチャーなどもMRI室専用の非磁性体のものに限られます。

 

検査についてご不明な点などございましたら、検査を受ける施設にお問い合わせください。


マンモグラフィ検査とは

乳房のX線撮影のことで、触診ではわからない乳がんや自覚症状のない乳がんなどの早期発見に有効な検査です。専用のマンモグラフィ撮影装置を使って撮影をします。検査では乳房を薄く圧迫してから撮影をします。圧迫する時は多少の痛みを伴いますが、薄くすることで乳腺の重なりがなくなり、少ないX線量で撮影することができます。また乳がんの発見率もあがります。

実際のマンモグラフィの写真は下のようなものです。矢印の部分に病気があります。

MMG1

 

<検査を受ける際の被ばくについて>

撮影は乳房だけの部分的なものなので、全身への影響はありません。しかし、胎児はX線に対する感受性が高いため、妊娠されている方やその可能性のある方は事前にお知らせください。

 

<検査の方法について>

基本的に立って撮影を行います。検査時間は10分から20分程度です。

片側ずつ乳房を圧迫板で押さえて撮影します。写真を確認してより詳しく撮影する必要がある場合は拡大した写真を撮影する場合もあります。

 

<更衣について>

マンモグラフィ撮影では乳房の柔らかい組織を撮影するので、洋服も写真に写ってしまうため、検査時に上半身は脱いで頂くか、専用の検査着に着替えて頂きます。

また制汗剤などのパウダーも写真に写ってしまい乳がんと間違ってしまう恐れがありますので、撮影前によく拭き取って頂きます。

 

<検査の注意点>

ホルモンの関係で乳腺が張っていると撮影時の痛みは強くなります。乳腺の張らない時期(月経開始から1週間後から10日後)の検査をおすすめします。また、力が入っていると乳房をうまく圧迫できず、痛みも強くなります。力を入れずにリラックスして検査を受けてください。

 

ご不明な点につきましては、ご遠慮なくスタッフにお尋ねください。


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