血管造影とは
アンギオグラフィーと呼ばれている検査です。一般的に太ももの付け根や腕や手首(目的によって使用する血管は様々)の動脈からカテーテルとよばれる細い管を入れて、カテーテルを目的部位まで進めていきます。そこから造影剤を注入しながらX線透視撮影を行うことで、血管の形態や血流の状態を調べることができる検査です。血管が狭くなっていないか、詰まっていないかを調べます。また腫瘍に対しての精密検査として、腫瘍に栄養を運んでいる血管はどれか、腫瘍に関連している血管はどれかなどを調べることもできる検査です。適応部位は、脳、心臓、胸部、腹部、骨盤部、上肢、下肢とほぼ全身を網羅しています。血管造影検査は動脈だけでなく、静脈の形態も調べることができます。通常は、局所麻酔で行われますので、患者さんは意識がある状態で検査を受けることができます。
アンギオグラフィーにおいて、病変に対して治療を行うことを、IVR(アイ・ブイ・アール)と言います。IVR「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」といい、日本語では「画像下治療」と訳します。前述のようにカテーテルを用いて行う治療ですので、外科手術のようにお腹や胸を切らずに、体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法です。そのため患者さんの体への負担が圧倒的に少ないという特徴を持っています。
血管造影検査を受ける際の注意点
・検査時間は検査部位や内容によって異なります。担当医へお尋ね下さい。
・撮影部位によっては撮影時に、息を止めていただきます。撮影中は息止めと同時に身体を動かさないようにして下さい。
・造影剤を使用しますので撮影時、撮影部位が熱く感じることがあります。すぐにおさまりますので、身体を動かさないようにして下さい。
・造影剤を使用した検査ですので、以前、造影剤を使用して副作用のあった方、喘息のある方、甲状腺機能亢進症のある方は検査ができない場合があります。事前に担当医にご相談下さい。
・カテーテルを挿入する部位によって、検査後にベッド上安静が必要になります。用いるカテーテルの種類や部位によって安静時間は異なりますので、担当医にご確認下さい。